こんにちは、co-chanと申します。
日ごろは東北6県のシステム系営業をおこなっております。
今回の記事は、かれこれ1,000社近くのお客様をまわってきたわたしの経験をもとに、企業のシステム導入について近年では当たり前になってきた「クラウド化」を検討する際のポイントについてまとめてみました。
クラウドってそもそも何?とかクラウド化することで何がよくなるの?とかイマイチわからないご担当者の方向けにの内容となっております。
新しい業務システムを検討している企業様の参考になれば幸いです。
そもそもクラウドのシステムってどういう状態?

当たり前に飛び交っている単語で「クラウド」を日常的に聞いたり使ったりしている方も少なくないかと思いますが、メチャクチャ簡単に言うと「インターネット上のどこかにデータがあり、ネット環境があればどこからでもデータにアクセスできる」ことです。
もちろんセキュリティがありますので、誰でもアクセスできるようにはなっていません。
実際にみなさんもスマホを使って色々なアプリを使用しているかと思いますが、例えばGmailなんかも手持ちのスマホでも使えるし、別のパソコンでも同じアカウントでログインしていれば使えますよね?
こんな感じで、ネット環境があれば同じデータにアクセスして使用できる環境のことを指しています。
厳密に言うともうちょっと細かい区分があるのですが、この記事では概要的な部分の把握でOKです。
クラウド化の前は「オンプレミス」が主流
現在はシステムのクラウド化転換期となっており、それまではいわゆる「オンプレミス」タイプのシステムが主流でした。
これは、社内にデータのもとを保存している『サーバー機』を設置して、そこにアクセスして使用するタイプのシステムのことです。
データのもとが社内にありますので、基本的には社内ネットワークで使用する前提となりますが、場合によって拠点や社外から使用したいケースもある場合、別のツールを使ってアクセスできるようにするなど、社外からも利用できる環境を整えて運用する方法をとっていました。
この方式も実際「古い」という訳ではなく、データが社内にある分セキュリティ面や活用の幅が広く、現在でも多くの企業様がこの方式で業務システムを使っています。
クラウドのメリット・デメリット

それではシステムのチェックポイントの前に、実際にクラウドにした場合のメリット・デメリットを先に把握しておきましょう。
メリット
①場所を問わず使用できる
社外にデータがあるため、インターネット環境さえあればどこからでもアクセス、作業ができます。
②サーバー機を管理する必要がない
オンプレミス環境と違い、社内にサーバー機を置く必要がありませんので、機器を管理する方が不要になります。
③災害に強い
浸水、落雷など思わぬ天災で機器が故障しても、データ自体は社外にあるためすぐに事業を継続できます。
④障害復旧に強い
ハード的な故障が起きても物理的なサーバー機と異なり、各社迅速に復旧ができるような仕組みが構築されていることがほとんどのため、業務の停止時間がほとんどありません。
⑤インストール作業が不要な(簡単な)ものも多い
スマホアプリのインストール程度の作業で済むものや、そもそもインターネットブラウザーからアクセスして使用するのでインストール自体が不要なものが多いです。
デメリット
もちろんクラウドは良いとこだらけではありません。
以下のデメリットも考慮して検討する必要があります。
①情報漏洩の危険性がオンプレミスよりも高い
社外にデータがあるため、アクセスする術(パスワードやURL)が漏れてしまうと、第三者に不正アクセスされてしまう可能性があります。
社内規定などで厳密に利用方法を管理する必要があります。
②複雑・重たい処理をおこなうシステムに向いていない
少なくとも、社内環境のネットワーク(LAN)よりも遅いインターネット回線で処理をしたり、クラウドのサーバー環境上あまり複雑な処理や、重たい処理をおこなう事が得意ではないケースがあります。
例えば、複雑な画像処理・設計・量の多い見積書・複雑な集計処理などは性質的に現環境では向いていないこともあり、そもそもクラウド対応のソフト自体が少ないです。
③永続的にコストがかかる
クラウドを利用しているうちは基本的にクラウドのサーバーを借りているため費用が発生し続けます。
毎月のコストでは少額でも長年でみると意外とコスパが悪かったりするケースも考えられます。
クラウド化に際して確認すべきポイント

さて、実際に業務システムをクラウドタイプで検討する際のポイントとなりますが、大きく下記3点について確認をしていただければと思います。
そもそもクラウド化するメリットがあるシステムか
第一に、今導入を検討しているシステムがクラウド化することによって大きなメリットを得られるようなシステムかどうか?をよくご検討いただきたいです。
例えば、社外から行うことが多い業務に対するシステムだと明らかにクラウド化の恩恵が受けられるでしょう。
例)
- 経費申請(外出先からの購入申請など)
- 勤怠データ(出退勤の打刻、スマホなどで)
- データ共有(出先の写真やファイルなどの共有)
- 拠点のデータを分散入力する
など
逆に、クラウド化しない方がよかったと後から言われるタイプのシステムもあります。
パソコンにインストールして使う、パソコンのスペックが高いほど早い処理ができるような重たいシステムについては間違いなくオンプレミスがおすすめです。
クラウドシステムにする前に、このシステムはクラウドである必要があるのか?をまず第一に考えてみてください。
オンプレミス環境と5年ランニングコストで比較

次のステップですが、クラウドのシステムは月額費用で手出しが少なく感じることが多いと思いますが、実際にわたしがお客様と話をする際は『5年スパンでの費用』でオンプレミスタイプと比較します。
クラウドのシステムについては、単純に月額利用料×60ヶ月=5年利用料で算出できると思います。
オンプレミス環境については
・製品代金
・サーバー機器代金
・その他付属品や保守メンテ費用
の合計で比較します。
サーバー機がだいたい5年で入替のスパン(リースなんかも多いです)なので、オンプレミス環境ですべて買い切った金額で5年使った時と、クラウドのシステム利用料5年で比較してコスパが良い方を検討していただく提案にしています。
オンプレミスサーバー機を複数の用途に使えるか
クラウドシステムの場合、システムごとにそれぞれ費用が加算されます。
オンプレミス環境で社内にサーバー機を置く場合、このサーバーが複数の用途を担う事ができると意外とコスパが良くなるケースがあります。
例えば、下記の役割をひとつのサーバー機で行った場合
・データの共有フォルダー(ファイルサーバー)
・会計システムのサーバー(データサーバーA)
・販売管理システムのサーバー(データサーバーB)
ひとつのサーバー機で3つの役割を担う事が可能です。
サーバー機1台で3システム分の活躍となります。
仮にクラウドシステムで同様のシステムを契約した場合、サーバー利用料をシステム別に加味されているため、上記に対抗する提案になった場合
・クラウドファイル共有システム
・クラウド会計システム
・クラウド販売管理システム
それぞれの利用料を利用者分契約することとなり、更に先ほどの5カ年計算比較で行くとオンプレミスに比べると割高になることも少なくありません。
用途によってはハイブリッドもあり!
じゃあ導入するときはかならずクラウドだけ、とかオンプレミスだけ、といった制約もありません。(さんざん説明しておいてあれですが)
実際に社内のお困りごとを改善するシステムが、クラウドとオンプレミスで両方とも良いソフトがあった場合は、費用感もあると思いますがそれぞれ導入している企業もありますので、臨機応変に検討するのが良いです。
そのほかの特典も確認する事!

毎年IT導入補助金などでシステム導入にかかる費用を助成してもらえる制度などもでており、特にクラウド関連のシステムについては、助成される比率が大きかったりとクラウドシステムの導入に向けて政府も動いています。
そういったお得にシステム導入できるような制度や補助金も探してみつつ、自社にとって一番良い選択をして頂ければと思います。
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