今回は、わたしの営業マンとしての体験の中から、多くの方が悩み、時に仕事を辞めてしまうキッカケとなる「クレーム」が発生した時の心構えの話です。
現在クレームを抱えて困っている方や、これから起きたらどうしようと悩んでいる方の参考のひとつになればうれしいです。
クレームのパターン
色々なお仕事があると思いますが、まずはわたしの受けるクレームのパターンのご紹介です。
わたしの会社では営業管理に使うパソコンのソフトをパッケージ(既製品)として販売しています。その中でいただくクレームのパターンです。中には共感していただけることもあるかも?
前使っていたソフトと同じことができない!
ソフトを導入いただいたお客様が、別な類似ソフトからの乗り換えというケースも多々あり、「前のソフトではこれが便利だったのになんでできないの!?」というお話をいただく事がまぁ多いです。
デモの時には出てこなかった話とかが導入後に平然と「これできないと仕事回らないんだけど!?」とか唐突に怒られたりも…。
そんな理不尽なぁ~(涙)と思いますが、お客様にとっては“言ったつもり”とか“分かっている前提”というのが頭の中にあるので、対応で煽らないように気を付ける必要があります。
言ってたことと違う!
事前にさんざん説明をしたにも関わらず、「これできるって言ってたでしょ!?」と怒られるパターンのやつです。言った・言わないの押し問答ですね。
これはどの業界でもあるかと思います。とにかくこの状態におちいった場合は話を続けても仕方ないので一旦「確認します」と引き下がって作戦を練り直すのが吉です。
お客様は思ったよりも話は聞いていません。こちらが伝えようとしてしゃべって感じている感覚の20%しか伝わっていないと思って話をしておいた方がよいです。
また、重要なことは確実に記憶に残るよう念を押して伝えることを忘れてはいけません。
バグによる業務への影響
ソフトのバグ(不具合)はシステム会社特有の問題ですが、製造業なんかでも不良品とか出ますよね。
こればかりは事前に予兆もなく発生するので、対応に困るところです。
まずは現状把握(お客様への被害、影響度の確認・社内での発生原因の追究・修正納期の確認など)をしっかりと行い、誠心誠意対応するしかありません。
どんなに小さなバグでも、お客様への被害の実態が大きくなくてもこの時はしっかりと対応を行っておく必要があります。
後に別なバグなどが出た場合、その時の対応によって自分や会社自体への不信感につながらないように対応を心がけます。
めんどくせぇ!(笑)
ソフトを入れる会社には、ソフトを入れたがっている人と、実際に使う人が異なるケースがほとんどです。
管理の方はソフトで管理をしたい(させたい)のに、それによってパソコンが苦手で苦労する方や、今までの業務の流れが変わって困惑する方も出てきます。
そんなときに実際に使う側の方から言われるひとこと「めんどくさいっす」(笑)
もうね、どうしようもないんですがそれもお客様個人ごとの正直な感想なんです。
こんな時は本当はいけないのですが「そうですよね~実際めんどくさいですよね(笑)」と使用者側に気持ちをいったん加勢して、そこから「でも、社長の方でどうしても管理をしたいということで、もしかしたら経営良くなってお給料上がるなんてこともありますし、ちょっとだけ使ってみていただけますか?」とか、なんとか気持ちを使う方向へ持っていくように促します。
少なくとも使っていただけなくても”この人はこっちの気持ちをわかってくれている”という仲間意識を持っていただける事も多いので、その後の対応がお互いに楽になります。
クレームが起きる要因とわたしの対策例
お客様の思っていた理想と現実の差
どのクレームについても言えることかと思いますが、事前にお客様が想定している物、サービスの品質そのままであれば100%クレームは発生しません。
わたしの考えでは
・お客様の理想(想像していた評点) - 現実の機能の評点
上記の差が大きいとクレーム発生するという考えでいます。
ですので、いかにこの差を埋める説明を行うか、がクレームの一番最初の予防になると思います。
売るものの機能は変わりません。できないことは「できない」と伝える、できることはしっかりとアピールする。当たり前の事ですが営業成績欲しさに曖昧にして進めないことを心がけています。
わからないことのフラストレーションの行き先
機能的にはお客様要望を満たしていたとしても、お客様がその使い方がわからなければ「役に立たない」と思われてしまい、お客様の評点がガクっと下がってクレームになってしまうことになります。
お客様の性格やスキルも本当にさまざまで、ご理解いただくのに時間がかかる方も少なくないです。わからない方にも1回で伝えられる方法があればわたしも知りたいくらいです。
そんな時のわたしの対応方法は、お客様社内でご理解いただける方に指導役をお願いすることです。
「〇〇さんすごい!あっという間に使えそうですね~!△△さんもいいところまで行っているので、わからないところあったらフォローしていただけますか??」と、ちょっとフレンドリーな感じでお願いしちゃいます(笑)
実際お願いされた方も嫌な気持ちはしませんし、お客様社内であれば質問も気軽にできることが多いのでお互いに苦労なく進めることができます。
もちろん、その指導役の方からの問合せが来たときは、別の方にも伝えていただけるよう丁寧にフォローをします。
自分の理解・勉強不足
業界によっては専門知識が必要だったり、新しい法改訂の情報を知っていなかったりと自分の知識不足でご迷惑をかけてクレームになるケースもあります。
これは自分のサービスがお客様の理想値に至らなかった場合のクレームですね。
この場合は本当に勉強するしかありません。
「このお客様に対応するためだけ」と考えると勉強時間が無駄に思えてしまう事もあるのですが、「後々の雑談に使える」とか、「別のお客様の同じ内容で自信満々で回答できるようになる」とか、自分の知識の資産になることをポジティブにとらえて頑張ると前向きに頑張れます。
クレームでへこんだときに考えること
クレームが起きたとき、誰しも「よっしゃ!どうやって解決しようかな!」と張り切って切り替えられる人はなかなかいないと思います。(一部聞いたことはありますが 笑)
わたしも実際にクレームが起きたときはへこみますし、即座に対応を考えるというのもなかなか難しいこともあります。
そんなときまず自分の中で気持ちを切り替えるために考えることです。
●死ぬわけじゃないしな
このクレームのせいで命がうばわれるわけじゃないし、まだ全然やれることあるよな。
→一番最悪の状況から比べたらまだ全然余裕だよねという自己暗示。
●時間が解決を後押ししてくれる
今はお客様も怒っているし、自分もへこんでるけど、来週の今ごろはお互いにそこまでこの件に頭割いてないよな。ほかの仕事もあるし。来年にはさすがにどうにか終わっているだろう。
→将来の自分から見たとき、たぶん解決できているから大丈夫という俯瞰(ふかん)視点。
●明日も状況確認の連絡しておこう
接触(連絡)頻度を多くすることも他人に親近感を与えるための有効な方法。
クレームの時ほど連絡の頻度を増やして対応する。
こんなことを考えて気持ちを持ち直し、お客様対応にあたります。
クレーム対応の先にあるもの
本当に対応しているときは嫌だと思いますが、いつかは絶対に終わりが来ます(いつまでも続くクレームは最悪裁判になるので、会社が対応してくれます。わたしは経験ありませんが。)
不思議なもので、経験をこなしていくとだんだん精神的な耐久力が付いてくるのと、クレーム対応中はいろいろと調べ物をしたり考えたりする時間が増えるので、対応が落ち着いたときに自分の知識がレベルアップしていることも結構多いです。
必ず自分の糧になるものと信じて真摯に対応すると絶対に成長できます!
こんなところで、私の経験を踏まえたクレームに対する考え方や心の持ち方の記事でした。
誰かのほんの少しの役に立つことを願います。
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