2021年9月29日 KDDIから新プラン『povo2.0』が開始となります。
新規申し込みはpovo2.0からとなり、1.0は契約済の方は継続になるけど新規受付は2.0スタートと同時に終了ということでした。
povo2.0はいろんな部分で今までになかったプランとなっていましたので、早速まとめてみたいと思います。
利用料金
まず一番の目玉である基本料金についてです。
月額利用料
月額利用料がなんと『0円』です!
えっ!?って思いますよね。ホントなんです。
楽天モバイルでデータ利用1GBまで無料などはありますが、povo2.0は基本料金として0円固定です。
その代わりに基本データ利用料上限が”0GB”となっております。これも「えっ?」ですよね。
その仕組みの種明かしが後述のトッピングになっています。
通話・SMS
国内通話30秒あたり22円、SMSは1通3.3円という部分は他キャリアと変わりありません。
こちらもトッピングで対応できる部分があります。
トッピング
povo2.0の料金の最大のポイントとなります、トッピングについてです。
ちなみにpovoユーザーではない方に補足すると、povoではプランのオプションのようなものを「トッピング」と表して扱っており、トッピングの専用アプリで購入が簡単に行えるようになっています。
povo2.0では基本利用料が0円の代わりに、自分でトッピングを購入することで、自分に合った使用環境に応じて利用料金を選ぶことができる、今までになかった方式でのプランとなっています。
データトッピング
自分で利用するデータ容量を選択して購入します。
データは「容量」と「期限」の組合せで選択するようになっています。
データ容量 | 金額(税込) | 期間 |
1GB | 390円 | 7日間 |
3GB | 990円 | 30日間 |
20GB | 2,700円 | 30日間 |
60GB | 6,490円 | 90日間 |
150GB | 12,980円 | 180日間 |
データ使い放題 | 330円 | 24時間 |
このように自分で使用するデータ量と期間を選択し、トッピングとして購入して使用します。
例えば、既存のpovo(以後povo1.0)と同等の価格・データ量を選択したい場合は、2,700円の20GBで30日間のトッピングを購入するといった感じです。
3GBで990円のトッピングは、あからさまにLINEMOのミニプランへの対抗策と思います。
後発らしくうまいこと考えられていると思います。
また、60GB、150GBプランも月換算するとデータ量と利用料が割安になるようになっていますので、長期利用間違いなくするという場合は、前倒してデータ購入した方が、トータルでお得に使用できる仕組みとなっています。
そのほか、povo1.0でもあった、特に1日データを大量に使用するという日にスポットで購入できる、24時間使い放題330円のトッピングもそのまま健在となっています。
データ容量が尽きた場合も、通信ができなくなるわけではなく、最大速度128kbpsでデータ通信は可能となっています。
128kbpsだと、ネットの閲覧や動画は難しいですが、IP電話系アプリやLINE通話など、トラフィック量が少ない通信は行えるレベルです。
ですので、トッピングなしで0円状態で、アプリでの通話のみで使用する運用も可能と思われます。
ただし、povo2.0の料金規定で180日間有料のトッピングの購入が無い場合は契約が解除される可能性があるとのことなので、最低限のトッピングを購入しつつ運用するとか、工夫をする運用が必要です。
個人的には、このデータ容量を自分で選択できる仕組みは最高だと思ったのですが、それに使用期限があるのが惜しいところだなと感じました。
とはいえ企業努力でこのようなプランを実現に持って行ったのは素晴らしいと感じました。
通話トッピング
通話もpovo1.0と同様のトッピングがあります。
5分以内かけ放題 | 550円 |
通話かけ放題 | 1,650円 |
上記通話トッピングはpovo1.0同様にかけ放題について2種類準備されています。
データトッピングではなく、通話かけ放題トッピングのみの契約をすると、「通話かけ放題」の月額1650円契約という格安プランとして使用する、といった使い方もできるかと思います。
その他トッピング
そのほかにも動画コンテンツトッピングとして以下のものが当初は準備されるようです。
DAZN使い放題パック | 550円(1ヶ月) |
smash.使い放題パック | 1,650円(1ヶ月) |
こちらは、今後ラインナップが増えていくことが予想されますね!
データ「もらう」「さがす」「あたる」
KDDIのHPより
「povo2.0」において、日常のさまざまなお店やサービスのご利用でギガ (データ) が貯まる、新しいギガチャージ活動「#ギガ活」を開始します。 「#ギガ活」では、日常で利用する店舗でギガを「もらう」、街中やバーチャルイベントなどに隠れているギガを「さがす」、抽選などでギガが「あたる」という3つの取り組みを実施します。例えば「ローソン」や「すき家」において、au PAYでの支払いで500円以上購入すると300MB (3日間) のデータがもらえるなど、「povo2.0」を楽しくおトクに使うことができます。 また、「#ギガ活」をさらに楽しめる取り組みとして、povoのブランドカラーである黄色いアイテムを探すと、通常よりも多くのギガがもらえる「FIND povo」を2021年秋から実施します。
という事で、データは「買う」以外にも、もらったり、さがしたり、あたったりすることでGETできるようです。お得に使う方法が沢山ありそうで、これも新しい試みとして素晴らしいなと思いました。
povo1.0との比較
既存のpovo1.0からpovo2.0で何が変わったのかpovoのホームページを参考にまとめてみました。
ベースプラン
povo1.0 | povo2.0 | |
基本料(税込) | 2,728円 | 0円※1 |
月間データ容量 | 20GB | 0GB |
データ容量が0GBの場合の通信速度 | 最大1Mbps | 最大128kbps |
国内通話料 | 30秒 22円 | 30秒 22円 |
国内SMS送信 | 1通 3.3円 | 1通 3.3円 |
国内SMS受信 | 無料 | 無料 |
ご契約いただける方 | 20歳以上の個人 | 13歳以上の個人 |
au契約期間 | 引き継ぎ不可 | 引き継ぎ不可 |
お支払い方法 | クレジットカード | クレジットカード |
※1. 180日間以上有料トッピングの購入などがない場合、利用停止、契約解除となることがあります。また別途所定の手数料等の費用がかかる場合があります。
トッピング
トッピング種類 | povo1.0 | povo2.0 | |
データ | 1GB | 550円 31日間 | 390円 7日間 |
3GB | – | 990円 30日間 | |
20GB | – | 2,700円 30日間 | |
60GB | – | 6,490円 90日間 | |
150GB | – | 12,980円 180日間 | |
データ使い放題 24時間 | 220円 24時間 | 330円 24時間 | |
コンテンツ | DAZN使い放題 | – | 760円 7日間 |
smash.使い放題 | – | 220円 24時間 | |
通話 | 5分以内かけ放題 | 550円 1ヶ月間 | 550円 1ヶ月間 |
かけ放題 | 1,650円 1ヶ月間 | 1,650円 1ヶ月間 |
SIM
povo1.0 | povo2.0 | |
eSIM | 利用可 ※2 | 利用可 |
auから移行する場合の SIMカードの変更 | 変更不要 | 変更が必要 |
※2. auから移行する場合は利用不可
端末関連
povo1.0 | povo2.0 | |
対応端末 | auスマートフォン等 | auスマートフォン等 |
APNの設定 | auスマートフォンは自動設定 それ以外の端末では自分で設定 | iPhone(iOS14.5以降)、Androidの一部端末では自動設定 |
ピクト表示 | 「au」と表示 | iPhone(iOS14.5以降)、Androidの一部端末では「povo」と表示 それ以外の端末では「au」と表示 |
各種サービス
povo1.0 | povo2.0 | |
キャリアメール | × | 「メール持ち運び」サービスで対応 |
+メッセージ | 〇 | 〇 |
留守番電話サービス | × | × |
着信転送サービス | 〇 | × |
国際通話・国際SMS | 〇 | 〇 |
auの家族割プラス | カウント対象 | 割引/カウントの対象外 |
auの家族割 (家族間通話料・SMS利用料の割引) | 割引対象外 | 割引対象外 |
auまとめトーク | 割引対象 | 割引対象外 |
故障紛失サポート | auから移行の場合、継続 | 755円/月で契約可 |
故障紛失サポート with AppleCare Services | auから移行の場合、継続可 | auから移行の場合、継続可 |
その他
povo1.0 | povo2.0 | |
auかんたん決済 (通信料金合算支払い) | 利用可 | 提供予定 |
auでんき | 利用可 ※3 | 利用可 ※4 |
auスマートパスプレミアム | ご利用可 | ご利用いただけます。※5 |
au PAY カード | 年会費無料 ※6 | 年会費無料 ※7 |
au PAY ゴールドカード | 年会費11,000円 ※8 | 年会費11,000円 ※8 |
auモバイル優遇割(auじぶん銀行の住宅ローン) | 〇 | × |
auご利用料金割引プログラム(au PAYマーケット) | 〇 | × |
au自動車ほけん auユーザー向け割引特典 | 〇 | × |
auのiDeCo auユーザー向けポイント特典 | 〇 | × |
安心ナビ | ご利用いただけます。 | 安心ナビ(探される方):利用不可 安心ナビ(探す方):パートナーの機種によって利用不可 |
auポイントプログラム ステージ制 | スコア付与対象 | スコア付与対象外 |
LINEの年齢認証サービス | 対応 | 非対応 |
※3. auでんきポイントで割引の対象回線にも設定可
※4. auでんきポイントで割引対象回線には設定不可
なお、au IDの統合手続きをおこなうとauでんきポイントで割引と同等のPontaポイントが還元
※5. au/povo1.0から移行する際は、解約月の末日までに、自分で支払い方法をクレジットカード払いへ変更する必要あり。変更しなかった場合は自動退会となる
※6. au PAY カードに登録されているau IDに紐付くpovo1.0の契約がある場合、年会費が無料
※7. au PAY カードに登録されているau IDに紐付くpovo2.0の契約がある場合、年会費が無料
※8. ゴールド特典ポイントは対象外
かなり大量に記載しましたが、個人的にポイントとして押さえておきたい部分としては
・データ容量0GBの時の通信速度が128kbps
・契約者の年齢が13歳からになった
・auから移行の際に引き継げる設定、割引、サービスがほとんどなくなった
・着信転送サービスが無くなった
・LINEの年齢認証サービス非対応
です。
子供用の契約プランとして、0円から検討できるようになったのは家計にも優しく良いと思います。
ただ、auから移行する際に、povo1.0の時は使っている機種でネット上の手続きでめちゃくちゃ簡単に終わったのですが、2.0の場合だと引き継げるサービスも少ないうえに、SIMの再設定なども必要となり、他社プランに移行するのと同じような手続きが必要となるイメージを受けました。
また、povo1.0の着信転送サービスについては、留守番電話の代替アプリなどで活用できていたのですが、こちらも2.0ではなくなるため他社プランと横並びになりました。
LINEの年齢認証サービスですが、MVNOプランと同様に非対応となります。
年齢認証が必要な機能が使えなくなり、例えば電話番号で自動的に友達追加する機能ができなくなるため、LINE IDやQRコードで対応するようになります。
このあたり、元の1.0との違いの部分も確認しつつ、povo2.0への移行をご検討ください。
競合する他プランとの比較
今回新たなプランの方式をpovo2.0が先立って公開しましたが、料金的には明らかに他社を意識したものとなっております。
LINEMO ミニプランとの比較
大手キャリアのサブブランドの中で、先陣を切って3GB 月額990円を発表したLINEMOでしたが、povo2.0はこちらに対抗するため、30日間990円というトッピングをぶつけて来ました。
主な違いとしては
・3GB容量超過後の速度が povo2.0は128kbps、LINEMOミニプランは300kbps
・超過後のデータ追加 povo2.0 1GB330円/7日間、LINEMOミニプラン 1GB 550円
・通話料 povo2.0 はトッピングか通常料金、LINEMOはLINE利用の通話が無料
ここの価格帯は速度上限値と、LINEのギガフリーのあるLINEMOミニプランに分があるかなと思います。
楽天モバイル(Rakuten UNLIMIT)との比較
基本料金0円比較という部分で楽天モバイル(Rakuten UNLIMIT)が対抗馬として挙げられるかと思います。
楽天も月内1GBまでは基本料金0円、さらにはpovo2.0にはない留守番電話、電話転送サービスが無料で付いています。また、通話料もRakutenLinkを使用すれば無料、楽天エリア内高速通信上限なしと、価格とスペックだけを見ると楽天モバイルが優勢なのですが…。いかんせん都市部はまだ良いのですが、少し地方になると途端に電波が入らない箇所が多くなるという大きな欠点があります。
ここはまだ発展途上のキャリアという事で、今後に期待という部分になりますね。
ですので、楽天エリア内の方は楽天モバイルをお勧めという事になるのですが、電波の安定性が必須という方にとっては、povo2.0の安定したau回線を利用するのが良いでしょう。
ahamoとの比較
価格で横並びだったpovo1.0とahamoですが、月額料金という概念を外したことによって、まとめ買いで割安にするという方法でこちらはpovo2.0が優位に立ったかと思います。
povo2.0データトッピング150GB/180日間/12,980円(税込)で算出すると、180日=6か月として
一か月あたり25GB・2163円(税込)となります。
いろいろな使い道
比較ばかりまとめて来ましたが、以上のことからpovo2.0では通常のスマホプラン同様に使用する方法のほかに、いろんな使い道が考えられます。
基本料金0円携帯(ときどきトッピング)
基本料金0円を利用した使い方で、通話はLINE通話、ネットはほぼ使用しないかWi-Fi環境のみと割り切った用途に使用できます。
ただし、前述の180日間有料トッピングがないと契約が解除される恐れがあるので、たまーに1GBトッピングなどを購入する必要があります。
通話専用格安端末
通話放題のトッピングのみを契約した状態での利用で、ネットはほとんど使用しない高齢者の方々に通話専用機として持たせるためにもアリな選択肢です。
5分以内かけ放題だと550円/月で済みますね!
スポットテザリング専用端末
トッピングの24時間使い放題を利用した使い方で、屋外での長時間ストリーミング配信があるとか、1日スポットでテザリング利用したいというような場合に、アクセス用の端末として準備するのに便利な使用方法だと思います。
総括
povo2.0は1.0に比べて、より自分の使い勝手に合わせて選択がしやすくなったプランだと思います。
ただし、忘れてはいけないのは他社プランとの価格比較することはもちろん、オンライン専用プランという事もあるので、サポート面で不安がある場合は、その点も考慮したキャリアを選択するようにしてください。
また、選択の幅が広がった分少しpovo1.0のときよりも知識が必要となる部分もありますので、よく調べたうえで後悔しないスマホプラン・スマホライフを送れるようにしてください。
乗り換えをご検討の方は、一度確認を行った上で手続きしてください。
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