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建設業の原価管理をシステムでおこなうべき理由を簡単にまとめてみた

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こんにちは、co-chanと申します。
普段は東北6県を担当するIT系システム販売の営業を行っております。

今回の記事では、建設業者においてよく耳にする工事の「原価管理」についてのお話です。

実際にわたしが1,000社近くのお客様を回ってきた経験から、建設業において原価管理をする必要性と、それをシステムで行うべき理由をまとめてみました。

今後原価管理を検討している企業様やご担当者様のお役に立てれば幸いです。

結局のところ「原価管理」ってなにをする事?

上司から「原価管理して!」とか、経営者や経理部長さんが会計事務所や銀行から「原価管理してください!」と口を酸っぱく言われて困っている方も多いかも知れません。

原価管理をものすごく簡単にまとめると

工事ごとに、かかった”原価”(材料費・外注費・経費・労務費)を、区分して管理する事

となります。

会社によっては、ここに予算との対比をするとか、進捗を管理するとか別の要素が加わっているケースもありますが、結局のところ必要なのは最終的な実績(確定した金額)が、工事別にまとめられていることなのです。

次にその理由を解説します。

原価管理がなぜ必要なのか

原価管理を行わなければいけない理由もいくつかあります。

決算時の会計処理に必要だから

1番の理由はこれです。

建設業では決算を迎えた時点で完成しておらず、来期に続く工期中の工事が存在することがほとんどです。

決算上はその工事は「未完成」という扱いになるため、売上をあげられる製品として認められません。
よって、帳簿上売上にもあがらない分それまでにかかっている原価も計上しないという扱いにする必要があります。
少し建設業の経理をかじったことがあるかたは「未成工事支出金」という単語を聞いたことがあるかもしれませんね。一般会計で言うところの「仕掛金」(作成途中の商品にかかっている費用)に該当します。

これによって、決算時の営業利益(売上-原価等)の金額が変わってくるため、工事ごとに原価を分けていないと正しい決算書が出せません

また、決算書は会計事務所にお任せ!という会社でも、工事が完成しているかどうか、とか、この仕入はどの工事の分か?などは、会計事務所でも分からないため、決算処理の時期になると請求書をひっくり返しながら、仕訳していく業務に追われて大変だった、という声も少なくないです。

「正しい決算書を出す」という、企業にとって一番大事な責務を果たすには原価管理は必須なのです。

経営の見通しをつけるため

決算処理が最重要ではありますが、もちろん事業の健全化という部分でも必要です。

日々仕入業者・下請け業者への支払や、お客様からの入金の管理は、何かしらの方法で必ずおこなっていると思います。

請求書が来たらお金を払う。請求書を送ったらお金が入金された、「ヤッター。」

この繰り返しになってしまっていませんか?
実際にどの工事で、いくら売り上げが上がって、いくら原価がかかったからこの工事は儲かった・儲からなかったという状況が見える環境になっていますか?

俗に言う「どんぶり勘定」になっていませんでしょうか?

工事ごとに金額を把握して、成績を確認することで、工期中の調整や、今後請け負う工事に活かせるデータとして活用できます。

データとしてきちんと数値化することで、客観的な経営状況の把握に使えますし、そのほかにも担当別にどれくらい貢献しているかなど明確に数値化できると、公平な評価に使えたりと、経営管理上活用できる可能性がたくさんあります。

取引履歴の蓄積のため

建設業は過去のデータの活用も大事です。

例えば、新しく工事を請け負って下請け業者に見積依頼するときなど、「以前似たような工事をお願いした時はこの単価で仕事してもらった」とか、元請けに対しても「以前は原価がこれくらいかかっていたので〇〇円で請求させてもらっていた」など、データとして交渉材料ができます。

そのときは単なる請求書の取り交わしであったとしても、将来的に活用できるものになっていくので、しっかりと原価管理しておくことが大事です。

会社の成長を願うならシステム化は必須!

といってもExcelとか手書きでもなんとかなるものだし、わざわざお金をかけて原価管理システムを入れなくても良いのでは?

と、思う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、以下の理由から原価管理についてはシステム化が必須だと考えます。

散在する資料の一元化

とにかくExcelと手書きは資料が散在します!
社内のネットワーク上に共有フォルダーがあるならギリギリ許せるかも知れませんが、各個人のパソコンにしかデータが無いようなものを抱え込まれていたら、「なんでこんな状態になってるんだよ!」と爆破寸前の爆弾状態になっている掘り出し物の資料が出てくるかもしれません(笑)

実際のお客様でももらった請求書が埋もれて支払が滞るところだったとか、売上立てて終わっていて入金までされていなかったとか、笑えない経験談をたくさん聞いてきました(汗)

そういったことの無いように、取引先とのデータはシステム上で管理し、人の目が届くオープンな環境で取り扱うことが大事です!

集計のスピードがとにかく速い!

ある日突然「この工事の状況教えて」と言われたら、瞬時に資料にできますか?

工事別にまとめた帳簿やExcelから数字を拾って、また別の資料にまとめて…あぁ。憂鬱。。

こんなお悩みが一切なくなります。

とにかくデータとして蓄積さえしていれば、欲しい時に欲しいデータが見られるようになります
工事現場の状況は工期中どんどん変わります。資料をまとめている間に状況が変わってしまったなんて言う事も当たり前におきるのでタイムリー性が非常に大事です。

素早い集計ができることで、リアルタイムの状況を把握し、かじ取りがしやすくなります。

「秒」で検索できる

意外と多いのが、昔どんな商品を使った?とか、いくらで仕入れた?外注さんいくらで作業してもらった?など、過去の単価を探して見積を作ったり取引したりするケースです。

この場合、手書きでの管理していると地獄を見ます。

システムで管理する事で、商品名や業者で検索することで一瞬で検索でき、その手間が省けます。

Excelでも単価の管理などはできる点もあるかもしれませんが、なんでもできてしまう分盲点だったところに陥ってしまう可能性も…

取引先及び会計事務所や銀行への安心感

原価管理システムを入れると、取引先や会計事務所および銀行にも「しっかりとしたシステム管理をしている」と安心してもらえます。

会計事務所や銀行へ資料の提出を求められた際に即座に対応でき、そういった管理のできる企業であるという評価が得られるからです。

また、会計事務所にお願いしていたような業務の一部を原価管理システムによって賄えるようになった場合、その作業委託料などが浮く可能性もあります。(契約内容によりますが)

かかった費用は結果的にペイできる

原価管理システムを導入し上手に活用できると、長期で見た場合結果的にかけた費用をペイできる(購入にかかったお金よりも、利益が上回る)可能性が高いです。

業務負担の減、作業時間の減、とにかくムダだった部分を排除することで新たなお仕事を獲得する時間を作ることができます。

以上の理由から、原価管理は絶対にシステム化することをお勧めします。

どんな原価管理システムを選択するのがよいか

それではどのような原価管理システムを選定するのが良いのでしょうか?

わたしが個人的に一番重要視していただきたいのは、とにかく携わる方皆さんが使えるような「わかりやすさ」です。

これまで述べてきた話も、システムが稼働した前提となります。
まず一番は、システムを「動かす」ことです。

そのために、システムに関わる方みなさんがいち早く使えるようになることが先決だと感じます。

実際のところ、工事を登録して、そこに関わる原価を登録して、集計して確認するといったものはどの原価管理システムでもできます。

その次に、自社のニーズに一致しているかどうかの確認になります。

原価管理システムの比較としては、メインの原価管理に加えそのほかにどの業務までカバーしているか?細かい機能はどこまでついているか?とか、画面周りはどのようになっているか?などで比較していくようになります。

安い買い物ではないので、いろんなシステムを見て比較し、後悔のないシステムを選定してください!

システム化を推し進めるにあたっての社内体制

多くの企業で最後の関門になるのが、実際にシステム化推進にあたっての社内体制です。

理想は社内でシステムに詳しい方がシステム推進担当となり(できれば複数名)、自社の業務に照らしあわせて落とし込んでいく方法が一番スムーズです。

この手のシステムは導入時にメーカーからの操作の説明を受けるケースが多いのですが、自社内に推進担当者がいない場合、説明は聞いたものの、その後は人任せになって結局システムが稼働しないとか、稼働が遅くなるというパターンがとても多いです。

推進担当になった方は稼働に至るまでの間、単純に業務量が増えてしまうので負担がとても大きくなります。その点も評価してあげられる体制があると尚良いかと思います。

以上、建設業の原価管理をシステムでおこなうべき理由でした。
ご検討中だった方や企業様の後押しとなれば大変うれしく思います。

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